この旅、写真じゃ伝えきれない。“にっぽん丸”のリアルな沖縄クルーズ体験
日本が誇る客船「にっぽん丸」に乗って、与那国島や座間味島といった“離島の秘境”をめぐる3泊4日の沖縄クルーズ。美食の船と称される船内では、毎晩異なるテーマのディナーが用意され、寄港地では感動するほどの絶景が広がります。
でも、その魅力は言葉や写真だけでは表しきれません。
このブログでは、僕自身が実際に体験したにっぽん丸の旅を、動画や現地レポートを交えてたっぷりご紹介します。客船の雰囲気、美ら海カフェでのくつろぎ時間、島民の温かい歓迎――カメラを通して伝わる“空気”ごと、ぜひ感じてください。
にっぽん丸は2026年5月に35年間の役目を終え引退する予定です。クルーズに興味がある方も、にっぽん丸を迷っている方も、きっと「乗ってみたい!」と思ってもらえるはずです。
にっぽん丸とは|船の基本情報
にっぽん丸は「にっぽん」の名を冠した日本の客船で、命名を紀宮清子内親王(現・黒田清子氏)が担当したことでも知られています。1990年に就航し、2022年にリニューアルされたこの客船は、美食をテーマにした船旅が人気。寄港地の特産品や伝統料理を活かしたメニューが魅力で、「食のにっぽん丸」として多くのリピーターに愛されています。
にっぽん丸 Ship Data 客船スペック
総トン数:22,472t
全長:166.6m/最大幅:24.0m
定員:449名/乗組員数:230名
巡航速度:18.0ノット
伝統の味を受け継ぐ美食の船
にっぽん丸が支持される理由の一つが「美食へのこだわり」です。
メインダイニング「瑞穂」のほか、スイート・デラックス客専用の「春日」、寿司バー「潮彩」、軽食の「リドテラス」が加わり、バリエーション豊かな食事が楽しめるようになっています。
特に「春日」で提供される、にっぽん丸オリジナルローストビーフは絶品です。

日本船で回る日本のクルーズは外国船クルーズとは航路が違う!航路・発着地の選び方
外国船との違いから見る日本船の魅力
- 日本船では日本一周だけでなく、種子島、屋久島、与那国、奄美、石垣島などの離島にも就航しており、アクセスが難しい離島にも訪れやすい。
- 展望浴室など、日本船ならではの船内設備が充実しており、寄港地以外でも船内でアミューズメントを楽しめる。
- 船内の言語は日本語のみ、日本人シェフ監修の和食が中心。寄港地も国内が中心。
- 日本船は比較的小型のため、普段は寄港しないような場所にも立ち寄ることができる。
- 外国船(例:MSCベリッシマ、ダイヤモンド・プリンセス)は船が大型で寄港できる港が限られ、寄港地で混雑することがある。
- 季節に合わせたテーマクルーズが設定されており、四季を楽しむことができる。
- 2〜4日間のショートクルーズも多く、日数的に気軽に参加しやすい。
- 「安心感」や「くつろぎ」が重視された落ち着いた雰囲気が特徴。
日本船と外国船の違いはこちらの記事も参考にしてください。
にっぽん丸の沖縄クルーズの魅力
沖縄クルーズの魅力
- 離島(与那国島・座間味島・宮古島・波照間島など)は個人ではアクセスが不便だが、クルーズ船ならスムーズに行ける。
- 南の海は透き通っていて自然豊かで、船から非日常の景色を味わえる。
- 船内では沖縄にインスパイアされた食事が提供され、朝食・夕食だけでなく夜食にも沖縄風の料理が楽しめる。
- 船内のリドデッキでは期間限定で「美ら海カフェ」がオープンし、沖縄名産の飲み物や軽食が楽しめる。
僕が特に良いと思うのはやっぱり食事ですね。美食の船とは言ったものですね。
美ら海カフェでも沖縄のオリオンビールが飲み放題だったり、


ハネムーンや結婚記念日などの特別な時こそにっぽん丸はおすすめ
ハネムーンや結婚記念日での乗船には特典があり、事前に記念日だと伝えると、夕食時にスタッフからお祝いの歌と記念撮影のサービスがあります。船会社に依頼をしたのは僕ですが、突然音楽を鳴らすスタッフがダイニングに入ってきたと思ったら、スタッフさんがすぐ隣りにいて、あまりに突然で、自分でも何が始まったのか一瞬わかりませんでした。非日常のクルーズ体験で、忘れられない思い出ができますよ。
同じ日に同じダイニングでお祝いをされた方が他にも4,5組ほどいたと思います。
大勢のお客さんの前で祝われるのは恥ずかしいさはありますが、とてもよい記念になりますよ。
また、無料で写真や写真立てをいただくことができました。
クルーズの魅力は乗船しているだけで普段自分達では行きにくい離島などに連れていってくれます。記念日だからこそ非日常の自然に触れ、思い出を増やしいくのはどうでしょうか。
なんといっても、船内の食事は外国船とは一線を画す
夕食
今回の3泊4日では、1日目が洋食、2日目が和食、3日目は沖縄にインスパイアされた和食をいただくことができました。
どの日も船の中とは思えないライナップで、提供されるスピードも待つことなく食べ終わるのを見計らってちょうど良いタイミングで運んできてくれます。
どの日も満足しましたが、1日目の夕食が視覚的にも印象的なお料理が多かったです。
沖縄クルーズだったので、沖縄県産の食材を利用するなど沖縄に特化されつつも、コース料理に見合うように上品に仕上げてくれているお料理が提供された点がむちゃくちゃ満足度高かったです。
1日目
・沖縄県産ミーバイと島タコのカルパッチョ
・紅芋のバリソワール
・にっぽん丸特製食パン、ライ麦パン
・沖縄県産カジキとホタテのグリル
・チェリーのソルベ
・にっぽん丸特製黒毛和牛のローストビーフ
・自家製マスカルポーネチーズのガトー
メロン、オレンジ

2日目
・えびと野菜の土佐ジュレがけ
・沖縄県産 鰹の刺身
・真鯛のえび蒸し
・パイナップルとあぐー豚のラフテー
・炊き込みご飯、ゆし豆腐汁、つけもの
・水饅頭入り沖縄県産黒糖ロール

3日目
・地豆豆腐、イカ墨塩辛 やんばる鶏松風
ミミガー 沖縄練り物
・沖縄県産めばち鮪 琉球スギ セイイカ
・天ぷら沖縄車海老 島らつきょ 四角豆
海ぶどう よもぎ 四季柑
・もとぶ牛バラ肉の煮
・沖縄県もずく
・じゅーしー
あおさ汁
ゆず大根 長芋
・トロピカルフルーツパフェ
沖縄県産マンゴー
沖縄県産ビーチバイン

船内でのランチ
ランチも乗船中は一日一回食べることが可能です!寄港地などの予定のアクティビティなどの
都合の関係でわたし達は一回だけ食事しました!
できれば、全ての日にちで食事をしたかった、、、と思えるぐらい内容が良かったです。
ランチだからといって手の抜いてない料理。暑い季節だったので冷たく冷えたうどんに添えられた揚げ出しナスは美味しかったです!
・揚げ出しナス稲庭うどん
・鶏肉の筑前煮
・ネギトロ丼
・香の物
・抹茶ミルクプリン
朝食

朝食会場はメインダニングの「瑞穂」と6階オーシャンダイニング「春日」の2ヶ所でいただくことができます。
日によってパンケーキやフレンチトーストが登場。たまご料理としてオムレツ、スクランプルエッグ、フライドエッグ、ポイルドエッグなどが選べました。
軽めのブッフェにこれだけのメニューがついてくるんです!
しかも!パンケーキやフレンチトーストはやわ!ふわ!で絶品でした!会場に入れる人数が少ないのもおすすめポイント!静かでゆったりとした雰囲気で優雅な朝食が楽しめますよ。
欲望のままの夜食
夜食も食べることでようやくにっぽん丸の食事をすべて堪能できます。
夜食といっても侮ってはいけません。毎日違うメニューがブッフェ形式で楽しめます。
今回は沖縄クルーズだったので、沖縄そば、ラフテー、サータアンダギーなどの沖縄名物はもちろんお稲荷さん、そーめん汁、お茶漬けといったちょっと小腹を満たせるものも用意されていました。
にっぽん丸の船内イベント
今回のクルーズでは船内でのイベントも沖縄にゆかりを感じられました。
2日目には沖縄民謡ポップス唄者、平良こずえさんによる唄と三線のエンターテイメントショーが開催され、沖縄らしい雰囲気に包まれたひとときを満喫できました。
船の上で聴く生の三線の音色は、離島の風と一緒に心に響きました。
3日目には本物の落語家による落語のステージもあり、笑いと癒しがたっぷりでした。
今回参加をした3泊4日飛んで沖縄クルーズツアーのスケジュールと日程
飛んでクルーズ沖縄 Aコース ~与那国島・座間味島~
日程・期間
2024.06.19(水) ~ 2024.06.22(土)

スケジュール
日程 | 寄港地 | 入港 | 出港 | ||
---|---|---|---|---|---|
6月19日(水) | 那覇 | 16:00 | |||
6月20日(木) | 与那国島 | 10:00 | 18:00 | ||
6月21日(金) | 座間味島 | 11:00 | 18:30 | ||
6月22日(土) | 那覇 | 08:00 |
実際の乗船記:1日目乗船前の那覇から乗船まで
飛行機で那覇へ向かいました。到着後、空港で沖縄名物を堪能し、那覇では国際通りを散策し、その後タクシーで那覇港へ向かいました。その後にっぽん丸に乗船。
2日目:与那国島に寄港
与那国島で楽しんだこと
与那国島は接岸ではなく、沖合にクルーズ船を止めて、通船で上陸となりました。上陸したときの島民の方の温かい出迎えといったらとても嬉しいものがあります。島の方々が手を振って歓迎してくれました。売店のようなお店も少し用意をしてくださっていて、クッキーやコースターなどのご当地土産、パンなどの軽食もありました。
終日の時間があったのと、もしかしたらもう中々与那国島には来ないと思いましたので、僕らは午前中は自分で島内を周り、午後は船会社主催のバスツアーに参加をしました。
ドラマのロケ地訪問
あの有名ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地へ!
診療所はそのまま保存されており、200円で内部見学もできます。
ドラマの世界に入り込んだようなリアルさ。目の前には透き通った絶景の海が広がっていて、本当に感動します。近くには「塩屋」もあり、製造工程の見学や購入が可能。お土産にもぴったりです!
バスツアー参加
午後は事前に申し込んだ、にっぽん丸主催のバスツアーに参加しました。離島だから仕方のないかもしれませんが、ちょっとバスツアーの料金は内容に比べると高い感じがしました。。ただ後述しますが、ガイドの案内が聞けるのと、交通アクセスが限られているのでその分バスツアーが高くなるのは仕方のないことかもしれません。
主な観光スポットは以下の2か所。
- 東崎展望台 与那国島東端に位置する展望台。灯台まで広がる草原には放牧された与那国馬や牛がのんびり。歩くときは牛の「落とし物」にご注意を。写真でもよく見かける、あの“馬×草原”の定番風景に出会えます。
- 日本最西端の碑 西崎灯台近くにある、日本で一番西に位置する記念碑。実は石垣島よりも台湾のほうが近いそうです。ツアーにはカメラマンさんが同行しており、記念撮影の購入も可能。スマホでも撮ってもらえるので遠慮なく頼んじゃいましょう。
与那国島での観光と移動方法
与那国島での移動手段はかなり限られていました。
選択肢はこちら:
- 巡回バス(本数は少ない)
- タクシー(電話で総合案内所から呼べます)
- 事前予約の自転車・レンタカー
個人的には自転車かレンタカーの利用が断然おすすめ!
Dr.コトー診療所周辺までの行きは巡回バス、帰りは事前予約のタクシー。巡回バスはかなり本数が少ないので、往復で利用できればいいですが、効率的に回ろうとすると厳しいでしょう。
アクセスが少ない分、事前の綿密な行程と予約が重要です。
今回クルーズでご一緒された方の中には、レンタサイクルを事前予約して港で受け取っていた方も何組かいました。
3日目:座間味島に寄港
この日は海をメインに楽しむ日!
座間味島も、沖合にクルーズ船を停泊させ、通船で上陸です。
上陸後、まずはすぐ目の前の観光案内所へ。
座間味港目の前にある「青のゆくる館」へ情報収集。観光協会の窓口やカフェもあります。
館内は無料で入館できて、慶良間諸島の生き物や海について学べる素敵スポット!
設備も清潔で、展示解説もわかりやすい。
カフェにはジェラートやオシャレドリンクもあり、暑さに誘われて、ついつい手が伸びてしまいます。
その後、阿真ビーチへ行きました。
座間味村には「古座間味海岸」と「阿真ビーチ」の2つのビーチがあります。
今回訪れたのは阿真ビーチです。
観光案内所から約30分の徒歩移動で、途中「マリリンの像」が見えてきます。
映画『マリリンに逢いたい』で有名な実在の犬・マリリンの像です。阿嘉島から海を泳いで会いに来たというエピソード、皆さん知ってましたか?阿真ビーチは透明度がとにかく高く、遠くから魚やサンゴが見えるほど! 海の色も手前から透明 → 水色 → 青と、三層グラデーション。平日だからか他に楽しんでいる人はほとんどおらず、ほぼ貸切状態でした!
阿真ビーチには着替えやシャワー設備がほぼないため、事前に着替えを済ませておき、シャワーは観光案内所を利用しましょう。
ライフセーバーもいるので安心です。
ただし港から徒歩30分かかるのでなかなかハードです。でもハイビスカスなどの花々に癒されながら歩くのは楽しかったです。
ちなみに、古座間味海岸へは観光案内所から巡回バスが出ているので、こだわりがない方は古座間味海岸へ行くのが良いかもしれません。
4日目最終日:那覇に帰港
にっぽん丸に安く乗船するためには
商船三井の株主優待券を活用しましょう!
僕も今回のクルーズでこの制度を利用しました。申込書と一緒に割引券を同封して郵送するだけでOK。簡単でお得なのでおすすめです!
株主優待券はメルカリや金券ショップで購入可能です。商船三井クルーズや旅行会社へ提出することで割引を受けられます。旅行会社を通じて申し込んだ場合でも、旅行会社に提出すれば割引を受けることができます。
利用枚数に応じて割引率が変わります:
優待券1枚 → 旅行代金10%割引
優待券2枚 → 旅行代金20%割引
「にっぽん丸」と新しく運航を開始した「MITSUI OCEAN FUJI」のどちらでも利用できます。
旅行準備と持ち物
快適なクルーズライフのために持っておきたいアイテムを少しだけ紹介します。
- 酔い止め薬・飴 揺れは少ないですが、天候次第で荒れる海。酔い止めは“お守り代わり”におすすめ。飴も気分転換になるので◎ 。ちなみに今回部屋にはウェルカム菓子として、クッキーと飴の用意がありました🍬
- ラフなサンダル 船内をちょっと移動したいときに便利。履いてきた靴とは別にあると楽です。
- 洗濯ネット 船内で自由に洗濯可能です。乾燥機もあります。ネットに入れておけば持ち運びにも便利でした。
まとめ
今回のクルーズ体験を通して感じたのは、「にっぽん丸」はただの移動手段ではなく、旅そのものを特別にしてくれる“舞台”であるということ。
離島へのアクセスが難しい沖縄の与那国島や座間味島を、船旅ならではのスムーズさで訪れることができ、到着した先では温かい島民の歓迎や、目を疑うほどの透明な海、自然に囲まれた絶景スポットが待っていました。個人旅行ではなかなか味わえない“秘境への贅沢なアクセス”は、にっぽん丸だからこそ叶えられるものです。
船内では、毎晩異なるテーマの美食が振る舞われ、沖縄民謡や落語などのカルチャーイベントがさりげなく日常に溶け込んでいました。
そして、最上階に広がる「美ら海カフェ」では、旅先の名物グルメやドリンクを楽しみながら海風に包まれる時間が流れます。
言語の壁もなく、日本語で過ごせる安心感。そして、乗っているだけで非日常が体感できる濃密なクルーズライフ。
にっぽん丸は、ただ「観光する」だけでは終わらない、“旅全体を味わい尽くす”ための最高のパートナーです。記念旅行や季節のイベント、ちょっと贅沢なご褒美旅として――どんなシーンにも自信を持っておすすめできますよ!